理容師になるには

  • 2020.01.29
  •        
理容師になるには
      
              

気になる学校を探してみよう

学校種別
エリア
職種
   

理容師の概要や仕事内容

理容師とは?

理容師といえば床屋さんにいらっしゃる方のイメージですが、床屋さんに勤めている人のことを理容師というのかと言うとそうではありません。
美容師と理容師の違いもよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は理容師も美容師も、国家資格なのです。
それぞれ理容師法と美容師法により業務内容が定められているため、行える業務が異なるのです。
中でも一番の違いはカミソリを使用して顔そりや髭そりができるという点です。

理容師の仕事内容とは?


では具体的に理容師の仕事内容を見ていきましょう。
理容師法第1条の2の第1項には

「この法律で理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。」

と定められています。
理容=容姿を「整える」ことと定められており、美容=容姿を「美しくする」こと(美容師法第2条)と定められています。似ているようですが、役割が異なるということになるのですね。

とはいうものの具体的な仕事内容は
・ヘアカット
・シャンプー
・パーマ
・顔そり
・髭そり
・マッサージ
・ヘアカラー
などの一般的な理容院で行われる施術だけでなく、最近では
・ネイル
・エステ
・メイク
を行う理容院も増えています。

つまり本当に具体的な違いはカミソリを使用することができるかどうかということになります。(厳密にいうと美容師も剃刀を使うことはできるのですが顔そりしか行うことができません。)

特に最近流行りのツーブロックに関していうと、美容師でも施術をすることは可能ですが、理容師はカミソリの使用方法についてきちんと学び、実務経験もありますので理容師のほうがきれいにできるということになります。
もちろん上手な美容師さんもいらっしゃると思いますが、ツーブロックが流行っていること、また、女性のヘアスタイルにも剃りこみが取り入れられていることなどから理容師の需要がアップしていると言います。

理容師になる方法(資格取得方法等)

前述したように理容師は国家資格ですので、まずは国家試験に合格しなければなりません。
国家試験の受験資格は次のように定められています。
●理容師養成施設で、次の課程を修了した人
平成10年4月1日以降に入学した人
昼間課程 2年以上
夜間課程 2年以上
通信課程 3年以上

平成10年3月31日以前に入学した人
昼間課程 1年以上
夜間課程 1年4か月以上
通信課程 2年以上
※これらの課程を修了した後、1年以上の実地習練を経た人

このように理容師の専門学校や短期大学、高等専修学校などの養成施設であらかじめ課程を修了しなければなりません。
年齢制限や学歴については記載されていませんが、専門学校の入学資格は「高校卒業以上」などと定められていることが多いため、まずは高校を卒業することが必須になるでしょう。

養成施設には昼間課程、夜間課程、通信課程の3つがあり、昼間は2年以上、夜間は2~2年半以上、通信課程は3年以上(通信授業+養成施設での面接)の期間、養成施設で学ばなければなりません。
夜間や通信があるため、アルバイトや仕事をしながら養成施設で学び受験資格を得ることができます。
受験資格を得たらいよいよ国家試験を受験します。

資格難易度や試験について

試験について

理容師の国家試験は年2回で、筆記試験は毎年3月と9月、実技試験は毎年2月と8月に行われます。
合格率は2018年が47.3%と少し低かったのですが、2014年~2017年の平均は68.4%と決して低い数字ではありません。ちなみに夏の試験よりも冬の試験のほうが、学校の卒業生が多く受験するため80%以上と高くなっているようです。
このことから学校でしっかり勉強して受験することが大切だということがわかりますね。

●試験の概要
※下記は2020年度の試験の日程です。
受験書類の配布:2019年11月6日(水)~2019年11月28日(木)

受験書類の受付:2019年11月6日(水)~2019年11月28日(木)
公益財団法人理容師美容師試験研修センターあてに簡易書留にて郵送して行います。

試験日程:実技試験…2020年2月1日(土)~
筆記試験…2020年3月1日(日)

試験地:実技試験…秋田県、岐阜県、滋賀県、大分県、宮崎県を除く各都道府県
筆記試験…北海道、岩手県、宮城県、東京都、神奈川県、石川県、愛知県、大阪府、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、鹿児島県、沖縄県

試験科目:実技試験…理容実技
・カッティング
・シェービング
・顔面処置
・整髪
・衛生上の取り扱い

実技試験は減点方式で、次の(1)及び(2)の両方の条件を満たしている場合に合格となります。
(1)衛生上の取扱試験
減点が20点以下であること
(2)基礎的技術試験
減点が40点以下であること
筆記試験…①2019年10月1日以降に卒業する人
・関係法規・制度及び運営管理
・衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)
・保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
・香粧品科学
・文化論
・理容技術理論

② ①以外の人
・関係法規・制度
・衛生管理(公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術)
・理容保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
・理容の物理、化学
・理容技術理論

筆記試験は50問中60%以上正解し、かつ全科目で0点の科目がないことが合格基準となります。

合格発表:2020年3月31日(火)

今後の理容師の将来性

理容師はいわゆる床屋さんのイメージがあり、古臭いなどと言われて人気が衰退していました。
しかし今、理容師の高齢化や新しく登録する理容師が少なく既存の理容院の後継者がいないこと、男性の美意識の変化などから、理容師の需要が増加しているのです。
また、今現在美容院に通っている若者が年を取ってからもずっと美容院に通い続けるのは抵抗がある、かといって昔からある床屋には行きたくない…といった理由から、特に「バーバー」としておしゃれな理容院が人気になってきているといいます。

つまり若手の理容師は、既存の理容師が高齢化によりいなくなる=同業者が減る、プラス男性の美意識の変化により理容師の需要が高まっている、ということから将来性があるということになります。
前述したとおり女性のヘアスタイルにも剃りこみが取り入れられていることもあり、女性の理容師の需要もアップしています。
美容師と理容師のダブル資格で幅広く業務を行う人も増えてきているといいますので、理容師の資格を取るならまさに今かもしれませんね。

理容師の就職先

理容院、美容院、ユニセックスサロン(理容・美容の両方を取り入れたサロン)などヘアサロンをはじめ、お客様の家に直接行って施術を行う訪問理容師、背中の毛そりやブライダルメニューなどを行うシェービング専門サロン、高齢者の方や障がい者の方のヘアカットを行うケア理容師など、ヘアサロン以外にも様々な場所で理容師は活躍しています。

理容師に向いているのはこんな人

手先が器用なことが当然求められると思いますが、さらにお客様の望む髪型にするため、希望を上手に聞き出すことができる聞き上手な人は理容師に向いている人だといえるでしょう。
希望を聞き出すためだけでなく、髪の悩みや会話も引き出すことができるコミュニケーション能力の高さが求められるでしょう。

理容師に関連する職業や資格

関連する職業

●美容師
美容師になるにもほとんど理容師と同じ条件です。
ただし国家試験の試験内容が少し異なります。
美容師と理容師の資格をダブルで取得することによって業務の幅が広がるだけでなく、フリーランスで働く場合に就職先の幅も広がりますし、独立した場合はどちらの業務も行えますのでお客様の幅も広がります。
学校によってはそもそもダブルで取得するためのコースを用意しているところもありますので、一定の需要があることは間違いなさそうです。
ただしダブル取得する場合は少なくとも3年の期間を必要とするので片方を取得することに比べて時間がかかること、ダブル取得するための費用が必要であることを念頭に置いておいたほうがよいでしょう。

●管理理容師
2人以上の理容師が勤める理容院などには、管理理容師の資格を持った人を設置することが理容師法で義務づけられています。
管理理容師は、理容室で毎日使う機材や備品の管理、理容室全体の清掃や空調管理など、理容業務を衛生的に遂行することができるよう管理する役割があります。
管理理容師になるには、次のすべての条件を満たさなければなりません。
1.理容師の免許を取得していること
2.3年以上理容業務に従事していること
3.厚生労働大臣が定める基準に従って、都道府県知事が指定した資格認定
講習を修了すること

ちなみに美容師も同じように管理美容師という資格があり、同じような条件を満たすことにより資格を取得することができます。
いずれにしても一人でサロンをする場合を除いて、独立して誰かと2人以上で開業する場合は必要な資格となっています。

理容師になれる専門学校はこちら