アニメーターになるには
- 2020.01.29
アニメーターの概要や仕事内容
アニメーターとは
アニメーターとは、アニメーションの製作過程の中でも作画を手掛ける職業を指します。ストーリーや企画に沿った絵を1枚1枚描き、それらを繋げることでアニメーション作品を作り上げていきます。
日本は優れたアニメーション技術を持つ国として知られ、全世界のアニメーション作品のおよそ6割が製作されていると言われています。アニメーターはそんな日本の文化を支える重要な役割を担っているのです。
また、アニメーターは国内外問わず人気の職業でもあり、近年ではアニメーターを目指して来日する外国人も増えています。
アニメーターの仕事内容とは
アニメーターの仕事内容は、大きく「原画」と「動画」に分かれ、これらを担当する者を、それぞれ「原画マン」「動画マン」と呼びます。
原画マンの仕事内容
アニメーションは数多くの絵を繋ぎ合わせて作られていますが、その中でも動きのポイントとなる絵を原画と言い、これを手掛けるのが原画マンの仕事です。
原画は、実績あるアニメーターが手掛ける場合が多く、アニメーションの動きにとって特に重要な部分です。
動画マンの仕事内容
原画と原画を繋ぐ部分の絵を描くことが動画マンの仕事です。場面の動きが無理なく繋がるよう、正確に構成を行わなくてはならないこの仕事は、経験が浅いアニメーターが担当する場合が多いようです。
動画で経験を積んだアニメーターは、やがて原画を任せられるようになります。
アニメーターは、さらに実績を積んでいくと作画監督を務めることもあり、この場合は自身の作画だけでなく、チェックや修正により全体の作画も取り仕切ることになります。
アニメーターになる方法
アニメーターになるには実力が重視されるため、決められた方法や過程はありませんが、多くの場合、下記のような手順を踏むことが多いようです。
①学校で専門知識・技術を学ぶ
アニメーターとして活動できるだけのスキルを学ぶのは独学では難しく、専門の学校に通うのが一般的です。アニメーションの専門学校や大学の専門コース、または美術学校などに入学し学ぶことが、アニメーターになるための第一歩だと言えるでしょう。
この経歴や得たスキルは、就職においても有利に働くことが予想されます。
②アニメーション制作会社やアニメーションスタジオに就職する
学校を卒業した後は、アニメーションの制作会社やアニメーションスタジオに就職し、アニメーターとして働くことになります。新人の頃はアシスタントとしての業務も多いですが、実務を重ねることで作画を任せられるようになるでしょう。
ただし、こういったアニメーション関連会社の人気は高く、簡単には就職できないということも覚えておきましょう。また、就職活動においては、自身の作品をまとめたブックが必要になることもあります。
アニメーターに求められる資格や試験
アニメーターに必須となる資格や試験はありません。重要なのは実力であり、それが認められればアニメーターとして活躍できるでしょう。
しかし、持っておくことで実務に役立つ資格は存在します。その代表的なものが、「CGクリエイター検定」です。ここではその概要をご紹介しましょう。
CGクリエイター検定とは?
概要映像表現技術やCG理論の知識、CGソフトウェアの効果的な使用など、CGで表現するための知識・技術を測る検定。デッサンや知的財産分野まで、幅広い問題が出題されます。
主催公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)
レベルベーシック(知識の理解)/エキスパート(専門知識の理解と応用)
難易度や試験について
CGクリエイター検定の合格率は、ベーシックが68.5%、エキスパートが23.55%(2019年前期の場合)となっています。ベーシックレベルは比較的易しいですが、エキスパートレベルになるとかなり難易度が上がることがわかります。
CGクリエイター検定の試験概要は、以下の表をご覧ください。
ベーシック | エキスパート | |
試験日程 | 7月・11月 | |
試験会場 | 全国20都道府県 | |
受験料 | 5,500円 | 6,600円 |
試験時間 | 60分 | 80分 |
試験形式 | マークシート | |
受験資格 | 特になし | |
合格条件 | 100点満点中70点前後で合格(難易度による) |
※2019年の概要です
検定に合格し、希望した場合には、1通1,000円で合格証明書を受け取ることができます。また、CGクリエイター検定には決まった受験資格がないため、下級から受験しなければならないということはなく、ベーシックとエキスパートどちらからでも受験できます。
今後のアニメーターの将来性
近年では、デジタル技術の発展や海外への業務委託により、日本人アニメーターの仕事が減少・効率化されつつあります。これは人材不足によるもので、アニメーターの過酷な労働環境が一員になっていると考えられます。
しかし、ソーシャルゲームやアプリなど、アニメーション関連のコンテンツは年々普及しており、アニメーションの需要自体はこの先も増加すると考えられます。
よって、日本のアニメーターは、今後海外人材との競争や労働環境の改善と向き合わなくてはならないでしょう。
アニメーターの就職先
アニメーターの就職先としては、先ほども触れたように、アニメーションの制作会社やアニメーションスタジオ、プロダクションなどが挙げられます。
これらの会社は規模がさまざまで、扱う作品にも差があります。大手であればアニメーションの企画から行なっていることもありますが、中小であれば下請けとして制作のみを行う場合も多いでしょう。そのため、会社選びの際には、自身が手掛けたいアニメーションの分野や身に付けたい技術なども考え、慎重な選択を行いましょう。
ただし、人手不足とはいえ、アニメーション関連会社への就職は実力主義の狭き門でもあります。特に、人気作品を多く生み出しているスタジオなどは就職競争率が高く、この壁を突破するには事前に実力を磨いておかなければならないでしょう。
アニメーターに向いているのはこんな人
アニメーターとして働くには、アニメーションに対する熱い思いを持っており、技術的にも優れていることが重要です。アニメーションや絵を描くことが本当に好きでなければ、アニメーターは務まらないでしょう。
また、アニメーターの仕事は激務であり、拘束時間が長くなることも多いため、それに耐えられるタフさを持っている人もアニメーターに向いていると言えます。
さらには、常に技術を高める向上心や作品に絵を合わせる柔軟性も求められます。
アニメーターに関連する職業や資格
アニメーターに関連する職業
アニメーターに関連する職業としては、以下のようなものが挙げられます。
- 美術監督
- シナリオライター
- プロデューサー
- 演出家
- 制作進行
- 声優
アニメーターはこのような職業の人々とチームを組み、一つの作品を作り上げていきます。また、経験を積む中で、美術監督や演出家へと転向するアニメーターもいます。
アニメーターに関連する資格
アニメーターに関連する資格には、先述の「CGクリエイター検定」の他にも、「Adobe認定アソシエイト」などのデジタル実技系資格や、「カラーコーディネーター検定」や「色彩検定」などといった色彩系の資格があります。アニメーターはコンピューターを用いて仕事を行う場合が多いため、デジタル実技系の資格が実務に役に立つことはもちろんですが、人の視覚に関わる色彩系の資格も、絵でさまざまなシーンを表現する上で大きく役立つものとなるでしょう。
アニメーターは必ずしも資格を取得しなければならないわけではありませんが、こういった資格に関する知識を持っておくことで、知識・技術の向上はもちろん、仕事の幅も広げられると考えられます。
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