動物看護師になるには

  • 2021.02.16
  •        
動物看護師になるには
      
              

気になる学校を探してみよう

学校種別
エリア
職種
   

動物看護師の概要や仕事内容

動物看護師とは

動物看護師は、動物専門の看護師です。動物病院に勤め、怪我や病気の治療または健康管理のために訪れる動物達の看護や、獣医師の診療のサポート、飼い主への対応等を行っています。
動物看護師は、怪我や病気を負った動物と直接接するため、動物医療の深い知識が必要とされる職業です。また、爪切りや耳掃除、被毛の手入れ等を行うこともあるため、動物のグルーミングに関する知識も必要でしょう。よって、資格は必須ではないものの、動物看護師には必要な専門知識を高める努力が求められます。
日本の動物病院の数は、増加傾向にあります。また、動物病院で行われるサービスは多様化しています。そのため、動物看護師の需要は多く、幅広い役割を担う動物看護師は今後ますます活躍し、動物医療をサポートしていくでしょう。

動物看護師の仕事内容とは

動物看護師は、動物病院における幅広い仕事を行なっています。主な仕事内容を挙げてみましょう。

  • 診察準備、補助
  • 検査手術準備、補助
  • 診療器具洗浄
  • 飼い主への説明
  • 受付、会計
  • 薬の用意
  • 入院、預かり動物の世話
  • 院内の掃除

このように、動物看護師は診察の補助や準備、会計、掃除まであらゆる仕事を担い、飼い主ともコミュニケーションを取りながら、動物病院の運営を支えています。

動物看護師になる方法

動物看護師になるために、定められた学歴や経験、資格などはありません。動物看護師の求人に応募し、採用されれば、未経験・無資格でも働くことは可能です。
しかし、動物の医療に関わる以上、動物看護師にも専門スキルがあるに越したことはありません。そのため、大学や専門学校などで動物医療を学んでから、「認定動物看護師」資格を取得し、その後動物病院に就職するケースが多いようです。
とはいえ、未経験者を動物看護師として受け入れる動物病院も少なくありません。その場合は、就職してから実務の中で、動物看護のノウハウを学んでいくことになるでしょう。

動物看護師に求められる資格や試験

先述の通り、動物看護師に必須資格はありません。ただし、動物看護のスキルを高め、それを証明するためには、「認定動物看護師」資格の取得が有効です。
「認定動物看護師」とは、一般財団法人動物看護師統一認定機構による認定資格です。受験資格を満たして「動物看護師統一認定試験」を受け、合格することで、資格を取得できます。
「動物看護師統一認定試験」の受験資格は以下のようになります。

  • 動物看護師統一認定機構推奨のカリキュラムに基づく「動物看護学」を教育する教育機関で、必要単位数また必要時間数を修めていること(見込みを含む)
  • 動物看護師統一認定機構の受験資格審査により個別に認められていること(受験資格取得講座の受講等)

試験に合格したら、資格申請手続きを行うことで、正式に「認定動物看護師」資格を取得できます。
「認定動物看護師」資格は、就職にも実務にも大きく役立てられるでしょう。

難易度や試験について

「認定動物看護師」資格の合格率は、公式に発表はされていないものの、70〜90%と高く、難易度はさほど高くはありません。
試験の詳細なついては、以下の表、または一般財団法人動物看護師統一認定機構のホームページをご確認ください。

受験日程 3月
受験料 16,500円(税込)
試験会場 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、岡山、福岡、那覇
試験形式 マークシート
試験時間 一般問題100分/実地問題40分
受験資格 前章の通り
合格条件 不明

※2020年現在の試験概要です。

今後の動物看護師の将来性

国内の動物病院の数は、ここ10年以上に渡って、増加しています。平成30年までに確認されている飼育動物診療施設の開設届出数は、15,950件にも及び、多くの動物病院が運営されていることがわかります。この数字を背景に、各動物病院が適切な診療を行なっていくには動物看護師が必要であることを考えると、動物看護師の需要は多く、今後も活躍が見込めると言えるでしょう。
ただし、ここ数年、猫の飼育頭数が増加している一方で犬の飼育頭数は減少傾向にあります。飼育頭数の変化は動物病院の運営に直結するため、この点は注視しておく必要があります。
とはいえ、近年ではペットを家族として扱う家庭が増え、予防医療のために動物病院を訪れることも多くなりました。さらに、トリミングや健康診断など、動物病院で行われるサービスも多様化しています。今後の動物病院は、治療のためだけでなく、健康管理や美容の目的でも利用されていくでしょう。そして、それぞれの現場で、動物看護師も活躍していくと予想されます。

動物看護師の就職先

動物看護師の就職先は、動物病院です。
日本には15,000を超える数の動物病院があり、その多くで動物看護師は働いています。
そのため、動物看護師の求人数は決して少なくはありません。未経験者を受け入れる動物病院も多いですが、動物看護師の資格や動物看護師として働いた経験があれば、就職はより有利になるでしょう。
また、動物病院には、地域のかかりつけ医として利用される小規模な病院と最先端の高度医療を行う大規模な病院、または一部の医療に特化した専門性の高い病院などがあり、行うサービスも各病院によって違います。どの動物病院に勤めるかによって、動物看護師の働き方や動物との接し方は変わるため、就職にあたっては自身が動物看護師として目指すビジョンを明確にしておくと良いでしょう。

動物看護師の平均年収・MAX年収

動物看護師の月収は20万円に満たないことが多く、年収もあまり高くはありません。月収は15万円〜20万円、年収は250万円〜300万円ほどが相場でしょう。
ただし、勤める動物病院によって、収入の条件は変わります。規模の大きな動物病院や、首都圏の動物病院であれば、動物看護師としては比較的高い収入が得られるでしょう。
また、動物看護師は、経験者や資格保有者が給与面で優遇されたり、夜勤や休日出勤に伴う手当が付いたりすることもあります。
ただし、待遇はそれぞれの動物病院によって大きく異なるため、一概には言えません。

動物看護師に向いているのはこんな人

動物看護師には、このような人が向いています。

  • 動物が好きで扱いに慣れている人
  • 動物に関する優れた知識や技術を持つ人
  • 観察力・洞察力に優れた人
  • よく気がつき、協調性がある人
  • コミュニケーション能力に優れた人
  • 体力がある人

動物看護師は、直接動物と接する仕事です。よって、動物が好きであることはもちろん、動物に関する知識や、具合の悪い動物に適切な対応をするための観察力・洞察力も必要とされます。
さらに、獣医師の仕事をサポートし、他のスタッフとともに効率的な仕事を行うため、または飼い主と良好な関係を築くための協調性やコミュニケーション能力も、動物看護師には求められます。
そして、獣医師の指示に応じて素早く動いたり暴れてしまう動物を保定したりするためには、ある程度の体力も不可欠でしょう。

動物看護師に関連する職業や資格

動物看護師に関連する職業

動物に関連する職業は多数ありますが、その中でも動物看護師に関連する職業として挙げられるのは、以下の3つです。

  • 獣医師
    動物専門の医師。動物の病気・怪我の治療や健康管理、予防医療に加え、飼い主に対する飼育のアドバイスも行う。犬や猫をはじめ、エキゾチックアニマルや家畜動物など、専門が分かれていることが多い。獣医師として仕事を行うためには、獣医師免許が必要。
  • トリマー
    トリミングを行う、犬の美容師。近年では動物病院にトリミングサロンが併設されていることも多く、トリマーは獣医師と連携して皮膚疾患を抱えた犬に対しても、ヘアカットや薬浴といった施術を行う。資格の保有は必須ではないが、高いスキルが求められる。
  • ドッグトレーナー
    犬にマナーを教えるトレーニングを行う職業。動物病院にはペットのしつけについて悩む飼い主が多く訪れるため、動物病院開催のしつけ教室にドッグトレーナーが参加することも多い。

動物看護師は、これらの職業のサポートを行いながら、適切でスムーズな動物病院の運営を支えています。

動物看護師に関連する資格

動物看護師と同じ、動物の医療に関連する資格を挙げてみましょう。

  • 獣医師
    獣医師として働くために必要な国家資格
  • アニマルヘルステクニシャン(動物衛生看護師)
    怪我や病気をした動物の看護を行うための知識・技術・人格を証明する資格
  • 動物看護技能士
    動物医療の補助や看護を行うためのスキルを認める資格
  • ペット介護士
    ペットの介護に関する知識や技術を認める資格
  • 公認トリマー
    トリミングの技術や知識、センス、また健康管理能力を認める公認ライセンス

これらの資格は、全て動物の健康に役立つものです。動物看護師としてのスキルを高めるために、取得を検討するのも良いでしょう。

動物看護師になれる専門学校はこちら