音響エンジニアになるには

  • 2020.05.14
  •        
音響エンジニアになるには
      
              

気になる学校を探してみよう

学校種別
エリア
職種
   

音響エンジニアの概要や仕事内容

音響エンジニアとは?

音響エンジニアとは、映画やテレビ、ラジオ、舞台などで使用する音を調整して表現効果を高めたり、コンサートやレコーディングの際にいろいろな楽器の音やヴォーカルの声をひとつの音楽にまとめたりする役割を果たす仕事です。

同じ楽器を演奏しても、その音は場所によって違った音の響きで伝わっていきます。
このことから音響は音楽の一部であり、すべての音楽は音響技術に支えられているといえます。
音響エンジニアは、音の響きに関して様々な工学的な仕事を受け持つ重要な仕事なのです。

音響エンジニアの仕事内容とは?

これまで音響エンジニアは音響機器メーカーなどに勤めるなどして、主にアンプやスピーカーなどの音楽再生装置の設計・開発をしていましたが、今ではコンサート会場の増加や、騒音問題などの影響で、仕事をする範囲が広がっている。
例えばコンサートホールやライブハウス、スタジオなどの音響設計をはじめとして、建物や部屋の防音・遮音、防振、空調の消音といった施工・管理も行います。他にも音響測定や音響システム設計、音響コンサルタントなど音響に関する様々な業務を行っています。

音楽関連の仕事に焦点を当てると、音響エンジニアは専門機材を操って、コンサートホールやライブハウス、劇場の音響調整、映画やテレビ、ラジオ、インターネットなどのメディアで流す音楽の音響調整などを行います。
そのため音響会社だけでなく録音スタジオ、放送局、音響機器メーカーの設計開発など、様々な場所で音響エンジニアが活躍しています。
最近はアナログ機材だけでなくデジタル機材やDTM(デスクトップミュージック)ソフトの操作スキルを取得する音響エンジニアも増えているため、さらに仕事の幅は広がっています。
音響芸術とも呼ばれることもある職種なので、電子・情報通信工学の知識だけでなく芸術的感性も持ち合わせていなければなりません。

音響エンジニアになる方法(資格取得方法等)

 音響エンジニアになるための資格はありません。
 音響エンジニアとして働くために取得しておきたい資格としては、国家資格である「舞台機構調整技能士」や一般社団法人日本音楽スタジオ協会(JAPRS)が実施する試験である「サウンドレコーディング技術認定試験」などがあります。
これらの資格を受験し取得することによって、音響エンジニアとしてのスキルアップが可能となります。

また、大前提として音楽・音響が学べる大学や短期大学、専門学校などで、ミキシングやレコーディング技術、音響技術を習得しておくことになるでしょう。
さらに言うとライブハウスや音響会社などでアルバイトの経験があると就職活動の際に有利になると考えられます。

資格難易度や試験について

試験について

 ではおすすめの資格について簡単にチェックしておきましょう。

 ●舞台機構調整技能士
   舞台機構調整技能士は都道府県職業能力開発協会が実施する国家資格で、舞台機構調整に関する学科及び実技試験に合格することで取得することができます。
   1級~3級まであり、それぞれ上級技能者、中級技能者、初級技能者が通常有すべき技能の程度と位置づけられています。
   舞台機構調整技能士は音響のバランス・クォリティーを任される仕事を担うため、試験で出題されるミキシングコンソールや台本に基づいた音量調整、マイクのセッティング、出演者とのコミュニケーションといった基本能力などをクリアすることによって、音響技術を証明することができるようになります。
   舞台機構調整技能士の資格を取得した者はコンサートホールや劇場、舞台などの音響装置を扱う音響エンジニアやPAエンジニアとして活躍しています。
近年は現場で活躍しているホール音響スタッフも資格取得をしている注目の資格となっています。

●試験の概要
 ※下記は2019年に開催された1・2級の試験の日程です。
    受験書類の受付:2019年10月7日(月)~10月18日(金)

    試験日程:実技試験…2019年12月6日(金)~
2020年2月16日(日)
         学科試験…2020年2月5日(水)

    試験地:各都道府県

    試験科目:舞台に関する全般的な知識、舞台機構・照明の基本的な知識と音響に関する基本と専門的な問題を真偽法(正誤を判断する)と択一法(正解に○を付ける)によって答える学科試験、実技試験は二種類あり、音を聞いて質問に答える要素試験と実際にセッティングから音を出すまでの作業試験があります。

    合格発表:2020年3月13日(金)

●サウンドレコーディング技術認定試験
JAPRSが主催する認定試験で、音楽とテクノロジーの融合する時代にもっとも大切な要素は人材の育成を基本としています。
試験では音響の理論、電気音響とスタジオシステム、レコーディング技術と先進技術、音楽・音楽著作権・音楽録音の流れ、録音の歴史などが出題されます。

●試験の概要
   ※下記は2020年の試験の日程です。
    受験書類の受付:2020年4月7日 (水)~5月15日 (金)当日消印有効

    試験日程:2020年7月5日(日)

    試験地:全国主要都市の団体受験会場

    試験科目:協会発行テキスト「サウンドレコーディング技術概論 2020年版」、「2020年度版サウンドレコーディング技術認定試験問題集 技術資料集」および「音楽録音スタジオにおける音響設計ガイドブック」より出題されます。

    合格発表:試験審査基準
取得点数によりA~Eのランクが認定されます。 (1000点満点)
ランク
A:1000~901点
B:900~701点
C:700~451点
D:450~201点
E:200点以下
認定証の交付
受験者全員に認定証カードおよび成績証明書を交付されます。 交付は8月1日以降です。

今後の音響エンジニアの将来性

音響に関するスペシャリストである音響エンジニアは舞台や広場、レコーディングスタジオといった様々な現場において、時にはアーティストが目指す音質を作り上げ、時には演説者の声をクリアにたくさんの人に聞こえるように調整する…といった仕事を行います。この音響を作り上げるためには人の耳が求められるため、今後も機械やコンピューターでは代用出来ない仕事だと考えられます。
 また、前述しましたが音楽の音響だけでなく、今では建物の防音・遮音設備の調整や防振対策、空調の消音など、音響エンジニアが活躍する場が増えています。
これらのことから今後も音響エンジニアという職業がなくなることはないでしょう。

求人がたくさんあるわけではありませんので、音響エンジニアとして就職するのは狭き門であると言えますが、大手の企業に就職することもできますので、雇用されれば安定した生活が送れるのではないでしょうか。
また、実績を積めば有名アーティストにスカウトされるケースもあるようですので、そうなればさらに収入がアップします。大きなやりがいも感じられるでしょう。

音響エンジニアは十分に将来性がある職業だと言えるでしょう。

音響エンジニアの就職先

 音響エンジニアの主な就職先には次のような場所があります。
・音響会社
・コンサート制作会社
・ライブハウス
・ホール
・劇場
・ホテル
・テーマパーク
・冠婚葬祭の式場
・自動車メーカー(エンジン音など) など

音響エンジニアの平均年収・MAX年収

 音響エンジニアとして働く人はアルバイトからフリーランスまで幅広くいるため、平均年収を出すことは難しいのですが、アルバイトの場合は約200万円、正社員として音響会社などに就職した場合の平均年収は600~800万円となるようです。

 また、フリーランスとして有名アーティストの音響エンジニアとして活躍する人の中には年収1,000万円以上という人もいます。

音響エンジニアに向いているのはこんな人

 音響エンジニアは音に興味があり、深く専門知識を学んでいくことができる人に向いている職業です。逆に言うと音が好きだというだけでは続けられませんので、常に音や工学の知識について学び続けることができることができる人ということにもなるでしょう。

 実力をつければアーティストと働くことができる可能性がありますし、その分高い給料をもらうこともできます。実力社会を勝ち抜く気持ちが強い人だと、より向いていると言えるのではないでしょうか。

音響エンジニアに関連する職業や資格

関連する職業

 ●PAエンジニア
   音響エンジニアの職種の一つで、状況に応じた音を作成・調整する役割を果たす仕事です。

   PAエンジニアが活躍する場所はライブやコンサートで、それぞれの場所において音の調整を行っています。音響設備がない場所でのイベントでは音響設備の場所を選ぶところから最後の撤収までを行うなど、ライブやコンサートには欠かすことができない重要な仕事となっています。

音響エンジニアになれる専門学校はこちら